Windowsフォームにおけるフォント指定

こんにちは。
フェノメナエンターテインメント デザイン担当の山男です。

Windows 8.1から「游書体」が標準搭載されるようになり、自宅でもオフィスでもWindows 10環境の私などは、メイリオ (Meiryo UI) よりも游ゴシック (Yu Gothic UI) を見ている時間の方が多くなりました。
どちらの方が綺麗に見えるか?というのは、今もって意見が分かれるところですが、新しいOSで游ゴシックがシステムフォントに採用されている状況を考えると、否が応にもそれに合わせていかざるを得ない気はしています。

 Photoshop CC 2017のウィンドウ

さて、今回はそんな游ゴシックでもメイリオでもなく、更に遡ってMSゴシック (MS UI Gothic) のお話。
こちらはWindows 98から搭載されたフォントで、Windows Vistaからメイリオに取って代わられ、游ゴシックの登場で更に居場所が減りつつあるわけですが、それでも完全に消え去ってしまったわけではありません。

Windowsフォームでアプリを開発する場合、特にフォントの指定を行わなければデフォルトでMS UI Gothicが選択されます。最近ではWPFでの開発が多いと思いますが、フォームもまだまだ根強く残っているようです。
デザイナーが画面デザインを検討する際、深く考えずに「システムフォントだからメイリオだよね」「游ゴシックだよね」と思い込んで勝手に進めたりすると、開発された画面を見て呆然とすることになります。
また、メイリオや游ゴシックの指定をする場合でも、それによってどういう影響があるのか知っておく必要はあるでしょう。

 

まず、テキストについて比較してみます。
MS UI Gothic / Meiryo UI / Yu Gothic UI、すべてシステム標準の9ptで並べています。
(比較のため、文字の後ろに同じサイズのカラーブロックを敷いています)

フォントの比較

見事にバラバラで頭を抱えたくなりますが、1つだけ明確なのは、MS UI Gothicとそれ以外で行間が異なる点。MS UI Gothicは行間がピッタリ詰まっているのに対して、他の2つは若干の隙間が設けられているのですが、これは行間の指定が異なるということではなく、フォント自体に予め上下の余白が設けられているからです。

 

次に、他の標準コントロール類を比較してみます。

Windowsフォームのコントロール比較

テキストが関係するコントロールのサイズが異なるのは分かるのですが、一見関係が無さそうなコントロールのサイズまで変わってしまうのが困りもの・・・
縦横セットで変わるものもあれば、横幅しか変わらないものもあったりして、規則性があるのか無いのか判断の難しいところです。
今回は比較のために見た目のY座標を揃えていますが、実際にはパッと見では分からない「コントロールに付帯するマージン」も変わってしまうため、事態は更に複雑だったりします。
Meiryo UIとYu Gothic UIは基本的に同じサイズっぽいのが、唯一の救いでしょうか。

いずれにしても、フォームでアプリデザインを検討する際には、どのフォントを採用するかガッチリ決めておくことが重要です。
また、MS UI Gothic以外のフォントを採用する場合には、それによってどういう影響が出るのかを開発担当者と情報共有しておく方が安心でしょう。

 

余談ですが、記事のトップに貼っている画像は、Windows版Photoshop CC 2017の「文字」「段落」のウィンドウです。
ウィンドウ内で使用している文字サイズは基本的に9ptのようですが、タブの文字がMeiryo UIなのに対し、それ以外の文字はMS UI Gothicなのが面白いところ。他の部分でもちょいちょいMS UI Gothicが顔を覗かせています。

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