「デザインと、音楽と・・・」

デザインと音楽の共通点、それは作る側と見る(聴く)側の感性が近いか、隔たりがあるかで評価が大きく異なることではないでしょうか?
誰にとっても絶対的に良いデザイン、誰にとっても絶対的に悪い音楽、というのはあり得ないんでしょうね。
だから制作する側では、「誰に」向けて発信しようとしているのかを考えることが大切なように思います。

私は1990年代、音楽業界と関係の深い仕事をしていました。
たくさんの新人デビューを見てきましたが、20数年たった今でも脳裏に焼き付いている2人(2組)のミュージシャンがいます。

1人は「宇多田ヒカル」。
彼女のプロモーションに関わっていた人が、報道関係者を招待したライブに呼んでくれたのです。
事前知識は全くない状態で会場に向かいました。

ステージに登場した彼女は、いきなりアカペラで「上を向いて歩こう」を歌い出しました。
鳥肌が立つというのはこのことか・・・。感動という言葉で言い表せない状態でした。
その後の彼女の活躍ぶりはみなさんがご存知のとおりです。

もう1組は「ウルフルズ」。
プロデューサーがプロモーションビデオを見せてくれた時、「えっ、この人たち、売れるの?」。
思わず聞いてしまいました。
プロデューサーは自信たっぷりにうなずくばかり。
私の予想は大きく外れ、その後急速に人気が出て行きました。
これが送り手と受け手の感性の違いなんでしょうね。

このデザインは誰に向けて作っているのか、時々は考えてみることも必要かも知れません。

(とし)

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