マツキヨです。
2015年5月、久しぶりにKES 9(nine)の開発関係者で集まりました。
W社のデザイナーだったHさんを囲んだ会です。
9(nine)は2006年12月に発売され、PHS端末としては驚異の累計40万端末を出荷しました。
デザイン性を重視した外観と画面デザインは業界内でも話題でした。
フェノメナがUIデザインを担当しています。
9(nine)のデザインや開発・製造に関してはいろいろな逸話があり、いつかご紹介したいと思います。
メーカーも紆余曲折し事実上消滅してしまいました。
9(nine)のUIデザインの大きな特徴は、デザインを全てモノクロ化したことです。
シンプルな外観デザインと調和した画面デザインを追求した結果です。
大手のメーカーやキャリアだと認めてもらいにくいことですが、デザイナーの考えがストレートにそのまま採用されています。
カラーリングへのこだわりだけでなく、画面デザインについてはディテールを地道に作り込んでいます。
画面系は設計書も存在せず(要件すら明確化せず)、超アジャイルでデザインと開発を進めていました。
「なーんだ?! 設計なんかしなくても完成するんだ」と感嘆した記憶があります。(評価は大変でしたが・・・なにせ設計基準がないので)
ダラダラと机上検討しないで、作っちゃえというスタンスです。
一度超アジャイルを経験すると、ネチネチとワイヤーフレーム検討に時間を費やし、デザイン・設計と開発が完全分業化された現在のUIデザインの進め方には無駄の多さを感じてなりません。
広範囲な専門知識を持つUIデザイナーによる仕事が減り、みんなで「デザイン作業」ばかりをやっている気がします。
Hさんをはじめ、9(nine)のデザイン・開発者はいろいろな所で活躍を続けています。
再びチームを組んで、デザイン性に富んだプロダクトを世に出すことを狙っているので、ご期待ください。